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静寂の中、安本彩花がアカペラで『ジャンプ』を歌った意味

プロフィール

 
 
 
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グループ名:私立恵比寿中学 (通称:エビ中)

個人名(【】内は出席番号)

結成:2009年

所属事務所:スターダストプロモーション

キャッチコピー:永遠に中学生 

 

象徴

よくエビ中のことを知らない知り合いに「私立恵比寿中学の代表曲は?」と聞かれることがあるが、自分はその問いにハッキリと答えたことがない。

私立恵比寿中学の代表曲は、絞り切れないからだ。

メジャーデビュー曲の『仮契約のシンデレラ』を筆頭に『ハイタテキ!』や『なないろ』『感情電車』など”名曲”をたくさん作り出してきたエビ中の代表曲を決めるのは難しい。エビ中を知った、好きになったきっかけも人それぞれのため、人によって答えは必然的に違ってくるだろう。

ただ、「今の私立恵比寿中学を象徴する曲は?」と聞かれたら、自分はその問いにハッキリと答えることができる。

『ジャンプ』と。

エビ中そのもの


私立恵比寿中学 『ジャンプ』MV

『ジャンプ』は私立恵比寿中学が2019年に発売したアルバム「playlist」のリード曲だ。
作詞・作曲を石崎ひゅーいが務め、MVも制作された。

アルバム「playlist」には石崎ひゅーい提供の『ジャンプ』の他にも、川谷絵音提供の『トレンディガール』、ビッケブランカ提供の『ちがうの』、メンバーが作詞を担当した『HISTORY』など個性豊かな名曲ばかりが収録されている。

その中でも『ジャンプ』は今の私立恵比寿中学そのものを表している気がした。

2019年は私立恵比寿中学結成10周年イヤーと題し、6月にアルバム「MUSiC」も発売し、エビ中主催のフェス「MUSiCフェス」も成功させるなど精力的に活動を行っていた。

「MUSiC」はインタビューで「エビ中にとっての集大成」と語られているアルバムで、新たな作家との曲がありつつも、繋がりが深い岡崎体育や、吉澤嘉代子たむらぱんを起用し【”これまで”のエビ中】を総括するようなアルバムに仕上がった。

 

一転、12月に発売された「playlist」では初提供のアーティストの曲だけで構成されていた。

R&Bやシティポップなど今まで見せてこなかったジャンルにも挑戦し、【”これから”のエビ中】を示すような、そんなアルバムになっている。

 だから愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
本当に大切な事なんかつきとめたりはしないで
がむしゃらに愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
馬鹿にしてくれたっていいぜ あなたが笑ってくれるなら
もう一度愛を込めて wow
もう一度愛を込めて wow

私立恵比寿中学『ジャンプ』より引用

『ジャンプ』のサビでは6人の力強い歌声が重なり、まっすぐな歌詞が直接心に響いてくる。希望や苦悩、感謝、決意といったメンバー全員の感情を「愛」の2文字に詰め込んで、ファンに向けて、自分たちに向けて歌っている。

『ジャンプ』は【”これまで”のエビ中】を総括しつつ、【”これから”のエビ中】を象徴する曲だと思う。

 

最高のパフォーマンス

先日行われた、安本彩花生誕ソロライブ「歌って踊って歌謡show!!!安安」にて、彼女はアカペラで『ジャンプ』を歌った。

そもそも安本がこのライブを開催できたのは、奇跡と言っても過言ではないと思う。

昨年の10月から体調不良でしばらくパフォーマンスが出来ない時期があり、今年6月に開催された「やついフェス」で復活したものの、現在もある程度セーブしながらの活動を続けている状況だ。 

そんな状況の中で、安本は自身が作詞作曲したオリジナル曲を含め、全11曲を披露した。


安本彩花「ジャンプ‐アカペラver.‐」

先に感想を伝えておくと、『ジャンプ』のアカペラverは安本の魅力が詰まった素晴らしいパフォーマンスだった。 

照明が落とされ静寂に包まれる会場で歌い始める。

この映像を見て印象的だったのは、安本の笑顔だ。

『ジャンプ』はMVや過去のライブでもそうだが、クールで静かな中にも激しさがあるイメージで、決してパフォーマンス中に笑顔が多い曲ではない。

しかし、安本は歌詞と歌詞の間に時々笑顔を見せた。

その笑顔は、ライブに対する素直な「楽しい」の笑顔でもあり、パフォーマンスが出来る「嬉しい」の笑顔でもあり、いつも支えてくれているファンへの「ありがとう」の笑顔でもあったように思う。

馬鹿にしてくれたっていいぜ あなたが笑ってくれるなら

私立恵比寿中学『ジャンプ』から引用

最後のサビは目の前にいるファン一人一人に丁寧に届けた。

時にパワフルな歌声で歌い上げ、時に優しい歌声で寄り添ってくれる。

エビ中ボーカロイド」と呼ばれていた頃からは想像も出来ない、感情のこもった安本らしい『ジャンプ』だった。

ジャンプ

ジャンプ

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 感謝

アカペラは曲に集中することがなく、アーティスト自身の歌唱力や表現力のみに集中できるため、歌詞がストレートに伝えやすくなるメリットがある。
しかし、逆に歌唱力や表現力が乏しければ全てが台無しになるリスクもある。

安本はなぜそのリスクを背負ってでも『ジャンプ』をアカペラで歌ったのか?

それは、曲を通していつも支えてくれているファンへの感謝を伝えたかったからだと思う。

 

 
 
 
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ayaka yasumoto 安本彩花(@yasumoto_ayaka_official)がシェアした投稿 -

 

生誕祭の翌日、安本はInstagramにこう綴っている。

9/20のちゅうおんの本番終えてから
色んな出来事があって、色んな自分と向き合って、
その中で、やっぱりファンの皆さんに会えた事が
自分の心が動いためちゃくちゃ大きな事だったかな。

...

とにかく私を好きでいてくれてる、推してくれてる
みんなに本当に感謝してます☺️✨

yasumoto_ayaka_officialより引用

 

今回のパフォーマンスでは安本彩花のこの曲に対する想いや周りの人への感謝、自分の中の葛藤が、歌から表情から全部伝わってきた。

静寂の中、自分の表現力だけで勝負しなければならないアカペラで『ジャンプ』を歌う姿に勇気を貰った。

感謝を伝えたいのはこちらの方だ。

(文:つちへん)

 

『ジャンプ』 歌詞

『ジャンプ』

アーティスト:私立恵比寿中学

作詞・作曲:石崎ひゅーい

編曲:トオミヨウ

 

世界は楽しいってさ 真っ暗闇じゃないってさ
どんな未来がみえるか わめき散らしてジャンプしよう

新しい時代の風が僕たちを呼んでいるんだ
桜吹雪が燃えている、あと何度告白できる?

頬杖ついてため息まじりの胡座をかいた東京の夜空
期待どおりで思いどおりの人生じゃつまらない
非常階段を登ったらビルの屋上には一番星 手を伸ばしたら、届きそうでさ

だから愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
本当に大切な事なんかつきとめたりはしないで
がむしゃらに愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
馬鹿にしてくれたっていいぜ あなたが笑ってくれるなら
もう一度愛を込めて wow
もう一度愛を込めて wow

毎年増える蝋燭 穴ぼこの空いた心に
おめでとうって言いながら はしゃぎ回ってジャンプしよう

夢は見るんじゃない掴め、嵐の中を駆け巡れ
おとぎ話じゃ終われない、これは心臓のドラマだ

初めてわかったよ恋の痛さ 涙を流した故郷の青さ
鍵のかかった201に歓声は響かない
分厚い扉を開くんだ 帰る場所なんてとうにないだろう 両手広げて、飛んでみるんだ

今だ

だから愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
本当に大切な事なんかつきとめたりはしないで
がむしゃらに愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ
馬鹿にしてくれたっていいぜ あなたが笑ってくれるなら
もう一度愛を込めて wow
もう一度愛を込めて wow

だから愛を込めて wow
がむしゃらに愛を込めて wow

もう一度愛を込めて wow
もう一度愛を込めて wow

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