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Official髭男dism『パラボラ』歌詞の意味とは?過去・現在・未来に向けた新生活応援ソング

プロフィール

 
 
 
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 バンド名:Official髭男dism

 

メンバー (写真左→右)

  • 楢﨑誠 (Ba/Sax)
  • 小笹大輔 (Gt)
  • 藤原聡 (Vo/Pf) 
  • 松浦匡希 (Dr)

結成:2012年

所属事務所:ラストラム・ミュージックエンタテインメント

 

 

パラボラ 


Official髭男dism - パラボラ[Official Video]

 

『パラボラ』は2020年4月に配信された、配信限定シングルの曲であり、アサヒ飲料の商品「カルピスウォーター」のCMソングとして制作された曲である。後に8月に発売された「HELLO EP」にも収録された。 

HELLO EP

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HELLO EP[CD ONLY]

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新しい生活への期待や不安などさまざまな感情が込められており、コロナの時世だからこそより複雑でリアルな曲に聴こえる。

 

今回は、そんな『パラボラ』の歌詞に込められた意味を解釈・考察していく。

 

 

歌詞

『パラボラ』

 

歌:Official髭男dism
作詞:藤原聡
作曲:藤原聡

 

ダンボールだらけから幕開けた日々は
想像よりも少しだけ忙しく過ぎていってる

片づくことを知らないこの部屋はなんだか
他の誰かの暮らしから借りてきたみたいだ

まっさらなノートの上
一文字目を書き出すようにして
期待感と不安感が混ざったインクに浸した心で

互い違いに歩き出した僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏みしめていくんだろう
靴底を擦り減らしてドアの向こう側
まだ遠くて不確かでぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いてみせるよ
いつかきっと
いつかきっと

思い違いだらけのメチャクチャな過去を
振り返るたび未熟さにむず痒くなるけど

定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに
何故だか僕らは不可思議に救われたりする

暗いへやに鳴り響いた誰かの鼻歌
声ですぐにわかったよずっとここにいたんだろ
君が僕に歌い継いだいつかのララルラ
胸ポケットで密かに呼吸をしている夢ならば
必ず僕がちゃんと叶えておくよ
固い誓いを
今たてよう

互い違いに歩き出した僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏みしめていくんだろう
靴底を擦り減らしてドアの向こう側
まだ遠くて不確かでぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いていけるよ

そして遥か先をゆく
どっかの僕が迷わないように
眩い光放ってみせるよ
いつかきっと
いつかきっと

 

 

ヒゲダンらしい言い回し

『パラボラ』は「ダンボールだらけ」と歌い出しからあるように、新生活がテーマの曲だ。

初めての一人暮らし、転勤、転職など、新しい環境になり将来への期待や不安が入り混じる様子が心情メインで描かれている。

歌詞には”ヒゲダンらしい言い回し”が多いと感じた。

靴底を擦り減らしてドアの向こう側

Official髭男dism『パラボラ』より引用

例えばサビのこの部分。

「ドア」は「壁を乗り越える」と同義でよく使われる表現だが、「靴底を擦り減らして」を前に置いておくと、それまでの努力険しい道のりが想像できる。

定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに

何故だか僕らは不可思議に救われたりする

Official髭男dism『パラボラ』より引用

2番のこの歌詞でもそうだ。

「定規」と身近で慣れ親しんだ単語で、正しいや正確といったイメージを想像させる

「将来の雛形」、つまり自分の理想像を表しているのだが、決して始めから正しい道は分からない。

それを知らないことを「強さ」としているのは、その都度方向を修正して定規のようにまっすぐでなくても、いつかなりたい自分になれる、そんなメッセージが込められている。

”身近な言葉からいくつもの情景を想像をさせる”

そんなヒゲダンらしい言い回しで、ポジティブな世界観を描いているのだ。

 

 

過去⇔現在⇔未来

さらに、この曲が他の新生活がテーマの曲と一線を画すのは、未来のことを歌うだけではなく過去のことまで歌っているという点である。

ダンボールだらけから幕開けた日々は
想像よりも少しだけ忙しく過ぎていってる

片づくことを知らないこの部屋はなんだか
他の誰かの暮らしから借りてきたみたいだ

まっさらなノートの上
一文字目を書き出すようにして
期待感と不安感が混ざったインクに浸した心で

 Official髭男dism『パラボラ』より引用

1番の歌詞では、新生活を始めてから現在までの自分が描かれている。

新しい環境で期待と不安が入り混じりながらも、一歩踏み出す。

 

そして、サビの一節

互い違いに歩き出した僕の両足は
どんな未来のアスファルト踏みしめていくんだろう
靴底を擦り減らしてドアの向こう側
まだ遠くて不確かでぼやけてる理想像も
追い越すような軌跡を描いてみせるよ

Official髭男dism『パラボラ』より引用

下線部にあるように「理想像を追い越す」、つまりこれは【現在】から【未来】に向けてのメッセージだ。

一般的な新生活がテーマの曲は、1曲を通してこのように【現在】→【未来】が軸になっている場合が多い。

しかし、2番では別の視点になっている。

思い違いだらけのメチャクチャな過去を
振り返るたび未熟さにむず痒くなるけど

定規で書いたような将来の雛形を知らぬ強さに
何故だか僕らは不可思議に救われたりする

暗いへやに鳴り響いた誰かの鼻歌
声ですぐにわかったよずっとここにいたんだろ
君が僕に歌い継いだいつかのララルラ
胸ポケットで密かに呼吸をしている夢ならば
必ず僕がちゃんと叶えておくよ
固い誓いを
今たてよう

Official髭男dism『パラボラ』より引用

下線部にある、「君」は「過去の僕」、「僕」は「現在の僕」を表しており、君から僕へ「歌い継ぐ」ことによって想いを受け取っている。

【過去】の自分から【現在】の自分に向けてのメッセージがあったことがわかるのと同時に、【現在】の自分から【過去】の自分への決意表明まで伝えているのだ。

あえて矢印の向きを一瞬だけ変えることで、対比が生まれ、人生が地続きであることを明確にしている。

それをたった1行でやってのける藤原聡の作詞センス、恐ろしい。

そして、大サビの後に繋がる。

そして遥か先をゆく
どっかの僕が迷わないように
眩い光放ってみせるよ
いつかきっと
いつかきっと

Official髭男dism『パラボラ』より引用

「もし未来の自分が迷うようなことがあっても、過去の自分の努力を思い出せば大丈夫。だからこそ現在を頑張れ。」

【過去】【現在】【未来】

全ての自分へメッセージを贈る。

あくまで新生活がテーマではあるが、元気を出したい時にいつでもそっと支えてくれる、そんな応援ソングになっている。

パラボラ

パラボラ

  • provided courtesy of iTunes
パラボラ

パラボラ

  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: MP3 ダウンロード
 
 

 

放物線

 パラボラの意味は「放物線」だ。

歌詞の中では「定規」という言葉が使われていたが、正反対の言葉と言ってもいい。

まっしろな人生に、「定規」では書けない自分だけの「放物線」を描いてほしい

そんな願いが込められているのではないだろうか?

 

【記事内での歌詞の引用】

 

『パラボラ』

 

アーティスト:Official髭男dism

作詞・作曲:藤原聡

 

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