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Official髭男dism『115万キロのフィルム』歌詞の意味とは?ロードムービーのような2人の人生!!

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 バンド名:Official髭男dism

 

メンバー(写真左→右)

  • 楢﨑誠 (Ba/Sax)
  • 小笹大輔 (Gt)
  • 藤原聡 (Vo/Pf) 
  • 松浦匡希 (Dr)

結成:2012年

所属事務所:ラストラム・ミュージックエンタテインメント

 

115万キロのフィルム


Official髭男dism - 115万キロのフィルム[Official Live Video]

 

『115万キロのフィルム』は、2018年に発売されたOfficial髭男dismの初のフルアルバム「エスカパレード」に収録されている曲だ。

シングルカットはされておらず、アルバム曲でありながらもOfficial髭男dismの代表曲の1つとされている。

2019年には電子部品メーカー「ローム」の『electric landscape』編にてCMソングに起用され、2020年には映画「思い、思われ、ふり、ふられ」にて主題歌に起用されるなど、発売から数年経った今でもタイアップ楽曲として使用されている。

また、人生のことを歌ったラブソングということもあり、結婚式のムービーで流すことも増えているらしく、今後結婚式の定番ソングになるかもしれない。

今回は、そんな『115万キロのフィルム』の歌詞に込められた意味を解釈・考察していく。

 

歌詞

『115万キロのフィルム』

 
歌:Official髭男dism
作詞:藤原聡
作曲:藤原聡


これから歌う曲の内容は僕の頭の中のこと
主演はもちろん君で
僕は助演で監督でカメラマン
目の奥にあるフィルムで作る映画の話さ Ah

くだらないなと笑ったんなら掴みはそれで万事OK!
呆れていないでちょっと待って
きっと気に入ってもらえると思うな
ここまでのダイジェストを少しだけ見せるよ

初めて喧嘩した夜の涙
個人的に胸が痛むけれど
そのまま見続けよう
ごめんねと言って仲直りして手を握って…

ほら、ここで君が笑うシーンが見どころなんだからさ Ah
写真にも映せやしないとても些細なその仕草に
どんな暗いストーリーも覆す瞬間が溢れてる
どれかひとつを切り取って
サムネイルにしよう とりあえず今の所は

きっと10年後くらいにはキャストが増えたりもするんだろう
今でも余裕なんてないのにこんな安月給じゃもうキャパオーバー!
きっと情けないところも山ほど見せるだろう

苗字がひとつになった日も
何ひとつ代わり映えのない日も
愛しい日々尊い日々
逃さないように忘れないように焼き付けていくよ

今、目を細めて恥じらいあって永遠を願った僕たちを
すれ違いや憂鬱な展開が引き裂こうとしたその時には
僕がうるさいくらいの声量でこの歌何度も歌うよ
だからどうかそばにいて
エンドロールなんてもん作りたくもないから

クランクアップがいつなのか僕らには
決められない
だから風に吹かれていこう
フィルムは用意したよ
一生分の長さを ざっと115万キロ

ほら、ここで君が笑うシーンが見どころなんだからさ Ah
写真にも映せやしないとても些細なその仕草に
どんな暗いストーリーも覆す瞬間が溢れてる
どれかひとつを切り取って
サムネイルにしよう

さあ、これから生まれる名場面を探しにいこうよ
酸いも甘いも寄り添って
一緒に味わおうフィルムがなくなるまで

撮影を続けようこの命ある限り

 人生=映画

この曲はタイトルに「フィルム」とあるように、映画に纏わる単語が多く使われている。

まず、タイトルの「115万キロのフィルム」について。

一生分の長さを ざっと115万キロ

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

「115万キロ」というのは35mmフィルムで換算すると、約80年分の撮影が出来る長さだ。

80年は日本人の平均寿命(84歳)の数字に近く、一生分の映像が撮れる、つまり人生の長さと同じになるということである。

これから歌う曲の内容は僕の頭の中のこと
主演はもちろん君で
僕は助演で監督でカメラマン
目の奥にあるフィルムで作る映画の話さ Ah

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

この曲は、女性と出会ってからの一生の様子を男性の主観で描いている。

主演は彼女で、自分はあくまでも脇役に徹すると表現しているのだが、役職は3つと多い。この3つとも全てに意味がある。

「助演」...自分も彼女とともに歩むこと

「監督」...彼女と共に作り上げること

「カメラマン」...最高のシーンを演出すること

単なる映画に纏わる言葉ではあるが、この曲のテーマである【恋愛】と結びつけると別の意味が想像できる言葉へと変わる。

歌い出しから最後まで映画に纏わる言葉が使われているが、どれも人生と上手く結びついている。

 

 間接的

この曲の最大の魅力は、直接的な言葉ではなく間接的に表現するところである。

きっと10年後くらいにはキャストが増えたりもするんだろう

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

例えば、2番にあるこのフレーズ。

「10年後」という未来の話から「キャストが増える」、つまり子どもが生まれることを指している。

ここを直接的に「子どもが増えるんだろう」と言うよりも、暗に示す方が聴き手の想像をかきたてる余白を生むことができる。

人数、性別、身長、体重...

自分の将来像とも重ね合わせることができる。

他にも

苗字がひとつになった日も

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

苗字がひとつ=結婚

エンドロールなんてもん作りたくもないから

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

エンドロール=離婚

というように間接的な表現で、人生の重要なイベントを表している。

しかも、強引に映画に纏わる言葉を差し込んでいるわけではないので、自然に聴いているだけでイメージできてしまう。

"これまで"と"これから"

 『115万キロのフィルム』は”これまでのこと”と”これからのこと”がはっきりと分けられている。

ここまでのダイジェストを少しだけ見せるよ

初めて喧嘩した夜の涙
個人的に胸が痛むけれど
そのまま見続けよう
ごめんねと言って仲直りして手を握って…

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

1番では「ここまで」や「した」とあるように、過去のエピソードであることが分かる。

これまでの思い出を振り返るのが1番の歌詞。

きっと10年後くらいにはキャストが増えたりもするんだろう
今でも余裕なんてないのにこんな安月給じゃもうキャパオーバー!
きっと情けないところも山ほど見せるだろう

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

2番では「だろう」とあるように、将来について考えている。

 

その区別をはっきりさせているのが1番のサビだ。

ほら、ここで君が笑うシーンが見どころなんだからさ Ah
写真にも映せやしないとても些細なその仕草に
どんな暗いストーリーも覆す瞬間が溢れてる
どれかひとつを切り取って
サムネイルにしよう とりあえず今の所は

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

太字にしている部分に注目してほしい。

「とりあえず今の所は」

非常に暫定的なニュアンスが含まれている一節だが、これがあるのとないのでは大きく違う。

もし、1番のサビが「サムネイルにしよう」で終わってしまうと、その先(2番)の人生への希望や期待が損なわれてしまう。

さあ、これから生まれる名場面を探しにいこうよ
酸いも甘いも寄り添って
一緒に味わおうフィルムがなくなるまで

撮影を続けようこの命ある限り

Official髭男dism『115万キロのフィルム』より引用

最後のサビでは「とりあえず今の所は」がなくなり、明るい将来の人生のことへと繋げている。

1番で「とりあえず今の所は」と付けることによって、”これまで”の歌から”これから”の歌へと曲の中で移っていくのだ。

 

ロードムービー

この曲は、【2人で歩む人生】を起承転結で描いている。

起...付き合ってから今までの思い出

承...結婚

転...子どもが産まれたり、すれ違ったり

結...2人で幸せに暮らす

5分24秒の音楽を聴くだけで、まるで2時間のロードムービーを見たかのような、そんな素敵な人生を描けるのがOfficial髭男dismの魅力なのだ。

(文:つちへん)

 

【記事内での歌詞の引用】

 

『115万キロのフィルム』

 

アーティスト:Official髭男dism

作詞・作曲:藤原聡

 

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