プロフィール
コンビ名:パーパー
個人名:
ほしのディスコ(写真左)
あいなぷぅ(写真右)
結成:2014年
所属事務所:マセキ芸能社
キングオブコント2017 決勝進出
R-1ぐらんぷり2020 決勝進出 (ほしのディスコ)
公約
先日、パーパーのほしのディスコが自身のYouTubeチャンネルに1本の動画をアップした。
ほしのが尊敬してやまないクリープハイプの「栞」を、THE FIRST TAKE風に歌った動画だ。
普段のコントからは想像できない綺麗な歌声にパワフルな抑揚を披露し、再生回数、高評価ともに上々でコメント欄も盛り上がっている。
自分もすぐにほしのディスコについての記事を書いたほど、圧倒されてしまった。
(先日、この動画について記事を書いたところほしのディスコさん本人からコメントをいただきました。ありがとうございます)
だが、この記事の最後にある一つの約束をしてしまった。
ほしのディスコの相方であるあいなぷぅの曲を引き合いに出してしまった罪悪感から、とんでもない公約を掲げてしまった。
ということで、今回は1年前に発表されたあいなぷぅの曲「パンパンパパパーン★」について、ライターとしての今持てる全ての力を発揮して褒めていこうと思う。
*この先は「無理して書いているんだろうな~」という目は禁止でお願いします
1.作詞
「パンパンパパパーン★」ではあいなぷぅが全編作詞を担当している。
①テーマ
作詞をする際、まず始めに大切なのは曲のテーマである。世の中の曲の大半は「恋愛」「夢」がテーマになっている。多くのアーティストや作詞家はそのテーマの中で個性やオリジナリティを出すことができるが、それが出来ずに作詞を進めてしまうとありがちな曲になってしまう。
しかし、あいなぷぅは初めての作詞であるにも関わらず「恋愛」や「夢」というテーマではなく「自分」をテーマにしている。この時点で差別化は成功している。
「パンパンパパパーン★」はあいなぷぅが主人公の歌だ。
私だって 私だって 歌を歌いたいの
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
歌の中で「歌を歌いたい」と言ってしまう衝撃的な歌い出し。直前に「私だって」を繰り返すことでより強く強調しているテクニックも見事だ。
リズムが全然あわないの
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
拍手がどんどんズレちゃうの
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
音譜が延々読めないの
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
また、自分が主人公の曲ではどうしてもポジティブな情報ばかりを詰め込みたくなるが、あえてそういうことをせずサビではネガティブな情報も含ませている。
自分の現状や感情をそのまま言葉にして伝えるのは意外と難しい。それをいとも簡単にこなすあいなぷぅは、素直な人間性なのだろう。
②破裂音
パンパンパパパーン★パンパパーン
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
タイトルにもなっているが、このフレーズがサビでは繰り返される。
ここで注目すべき点は破裂音である「パ」にある。
破裂音であるパ行の言葉は子どもにとって最も気持ちのいい発音とされており、慣れ親しんだパ行の発音は大人になっても歌っていて気持ちがよく何度も口ずさみたくなる効果がある。
ピコ太郎の「PPAP」なんかが代表的だろう。
あいなぷぅはサビでこのフレーズを繰り返していることから、語感のよさを生み出す「パ」を意図的に組み込んだと考えられる。
③疑問形
ドとファは同じ音に聞こえるけど 関係ないよね?
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
インのふみ方理解不能だけど 関係ないよね?
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
疑問形は聴き手に余韻を感じさせる手段として有効的だ。
「聞こえます」「理解不能です」と言い切ってしまうとそこで完結してしまうが、「関係ないよね?」と聴き手側に答えを委ねることで捉え方も人それぞれになってくる。
この小さな部分からも、作詞家あいなぷぅとしての凄さが感じられる
④オノマトペ
オノマトペとは、いわゆる「さらさら」や「びゅんびゅん」などの擬音語のことである。
ワンピが ひらひら くるくる くるり
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』より引用
オノマトペは曲の雰囲気を表すのに効果的となる。あいなぷぅが主人公のこの曲では、全体を通して「カワイイ」が意識されているように感じられる。
ワンピースというアイテムを登場させ、連想する擬音を続けることで「カワイイ」の世界観がよりいっそう濃くなっている。
2.曲
作詞はあいなぷぅが担当しているが、歌詞中にもあるように作曲はできない。この「パンパンパパパーン★」では、プロダクション人力舎に所属するパフォーマーユニット(芸人)のGroovy Rubbishに依頼している。
落ち着いたバラードから韓流っぽいジャンルまで幅広く対応できる、「伯方の塩 二代目声優オーディション『ギャップ・ラップがいい塩梅で賞』受賞アーティストである。
「パンパンパパパーン★」ではあいなぷぅの世界観に合わせ、キラキラした4つ打ちのアイドルポップスを提供している。
3.振り付け
この曲で注目すべきなのは、あいなぷぅの可愛らしい振り付けではなく、パンダの着ぐるみを着たトンツカタン森本晋太郎の振り付けだ。
新プロジェクトに向けて準備中。
— GOLDEN TIME (@GOLDENTIME2019) March 26, 2020
来月中に発表できるといいなー。 pic.twitter.com/MitsuNXHL9
ABCお笑いグランプリの事前VTRで、『ダサダンス 日本一』の称号を得たトンツカタン森本がなぜかパンダの着ぐるみを着ながら、曲に合わせて踊っている。
このぎこちない動きが、あいなぷぅの不安定な歌声、リズム感とまさかのマッチしており奇跡的に世界観が保たれているのだ。
4.可愛い
ふとした瞬間に可愛いと思ってしまうのも、ある種魅力的である。
芸人仲間であるラランドのニシダも、あいなぷぅのチャイナ服姿を見て「舞台袖で興奮した」と発言するなど、不思議な魅力に包まれている。
この謎は未だ解明されていないが、とりあえず
「♪パーパーのあいなぷぅが たまに可愛くみえるの なんでだろう~」
とテツandトモに歌ってほしい。談志師匠に見てほしかった
対極な2人
後半はほぼプロダクション人力舎の所属芸人紹介だったが、音楽ライターとして持てる力を全て結集させあいなぷぅの曲を褒めてみた。
ちなみに現時点(8月27日付)歌が上手い相方との現在の再生回数を比較してみよう。
クリープハイプ-栞/THE FIRST TAKE ほしのディスコver
投稿日-2020年8月23日
再生回数-75000回
高評価-6600
低評価-15
あいなぷぅ『パンパンパパパーン★』Music Video
投稿日-2019年6月5日
再生回数-610000回
高評価-6400
低評価-1300
本当にパーパーは両極端なコンビだと思う。
とりあえず、今後ライターとしての信用を取り戻すため頑張っていきたいと思う。
(文:つちへん)